語順のルールは定型第二位。他は?
ドイツ語の文法の本に
「定型は第二位。他の目的語や修飾語の位置は自由」
と書かれているんですが、本当にフリーダムに並べたらドイツ人の先生に「不自然」と指摘されました。
フリーダムと言いつつ実際は「基本の並べ方」なんてものがあって、強調したいことがあるときに基本からズレた並び方にしているようで、そんな基本の並べ方が図の通りです。基本中の基本は、図の中のVorfeldはSubjekt(主語)になります。
図は特に主文についてです。
従属文の場合はV1がV2の後にくっつきます。疑問文の場合はV1が最初に来ます。
主文の形がわかっていれば、大丈夫だよね!という大雑把な感じで勢いで作ったんですが後悔はしていません。
図にした中身を箇条書きにすると、こんな感じになります。
- 定型第二位。
- Vorfeld:主語、目的語、修飾語の何を持って来ても良い。
- けれど、他の要素は基本的な位置のルールがある:
主語は定型の近くにあるべき。
再帰代名詞も定型の近くにあるべき。
目的語は可能な限り文末に近く。
副詞の標準的な並べ方は「時刻・時間」「手段・方法」「場所」の順。
なお、冒頭の「不自然」と言われたくだりでは、こんな文章の並べ替え問題を使ってドイツ人の先生に食ってかかっていました。
民主主義と言っても、人によってその理解するところにずれがある。
A. Jeder versteht etwas Verschiedenes unter Demokratie.
B. Etwas Verschiedenes versteht jeder unter Demokratie.
Aの文は基本に忠実に書いたのでおかしいところは無いようだけれど、Bは不自然、と。
「一体何がおかしいのか?定型が第二位以外にルールがあるのか?」
と聞いてみても「ふむ。文法的には間違っていないんだけど、なんかおかしい。自然なドイツ語ではない」という答えが返ってきます。
「そういうもんだと思って覚えろ」というのは承服しかねるので、いっそのこと、すべての順列を試して何がおかしいのかを教えてもらうことにしました。
定型第二位を除けば他の要素は
- "Jeder",
- "etwas Vershiedenes",
- "unter Demokratie"
の3つなので、3! = 6通り。 並べ替えた結果と、先生による自然さの評価は以下の通りです。
- Jeder versteht etwas Verschiedenes unter Demokratie. ◎
- Jeder versteht unter Demokratie etwas Verschiedenes. ◎
- Etwas Verschiedenes versteht jeder unter Demokratie. ◯
- Etwas Verschiedenes versteht unter Demokratie jeder. ◯
- Unter Demokratie versteht jeder etwas Verschiedenes. ◎
- Unter Demokratie versteht etwas Verschiedenes jeder. △
◎: 自然なドイツ語。
◯: 不自然ではあるけれど、強調したい箇所によっては使わなくもない。
△: 文法的には間違ってないけど「どうしてこうなった」という不自然さ。
何がどう不自然なのか?と問い詰めていたら図のようになった次第です。
今日はここまで。
おやすみなさい。